昨日の日経新聞の経済教室(17面)に、「一体改革 残された課題上ー社会保障の姿、議論を深めよ」と東京大学教授 吉川 洋 先生のコラムがありました。
消費税はほぼ比例的で所得再配分効果あり、
財政破綻リスクの芽は早く摘むのが正しい、
など、消費税増税に肯定的な論述でした。
また、年金支給年齢の一段の引き上げ検討を、
など、社会保障制度改革を加速的に進める議論を早急にしてもらいたい旨の内容です。
消費税の是々非々が、いまだに議論されている国会において、吉川先生がおっしゃるように、社会保障の姿についての議論を深めてもらいたいのは、国民の一致した思いではないでしょうか?!
私自身、消費税の増税には否定的な立場であります。
しかし、消費税を上げなければならないことも、十分理解はしているつもりです。
昨年可決した、復興増税(これも私的には反対ですが)によって、所得税が来年上がるわけです。その翌年、さらに消費税が上がるわけですから、当然これまでに経験がない状況での施策の実施ですし、
1997年の橋本内閣での消費税2%UPのあと日本経済は深刻な不況に陥り、その後デフレ経済を脱することができないまま現在に至っております。
、前回の消費税アップの時に関しては、韓国、タイなどのアジアの通貨危機、さらには、北海道拓殖銀行、山一証券などの破綻による金融危機が起き、投資や輸出の落ち込みが大きかったことからして、不況の主因は消費税ではなく、金融危機とアジア通貨危機であったと考えられるという吉川先生の言です。
今回は前述したように、所得税増税に続く、消費税の増税が経済に及ぼす影響は少ないとは言えないのではないかと危惧するところです。
そのような消費税増税の是非よりも、私は政策手順の間違いが、一挙に日本全体を奈落の淵に陥れてしまいかねない、今の状況で、
まず、増税ありきの野田政権に強い疑問をいだいています。
財政再建と景気回復、さらには行政改革という
総じて相反する施策をすすめてゆかなければならないわけですが、
その手順を間違うわけには行かないのです。
施策をすすめながら、国民の意識を、上向きに修正し、尚且つ、政治に対する不信感を払拭してゆく手順が必要です。
これまでの、野田政権の政権運営をみるうえでは、その能力は、皆無のように感じてなりません。
とにかく、今は、政治改革、特に自分たちの身を切る改革を国民に示し、
また、社会保障の姿を、スピード感をもって進め、
なおかつ、景気回復、とくに民間の設備投資意欲を掻き立てるような、施策を望みます。
その議論を国会においてやってもらいたいものです。
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