平成16年
平成16年、新居浜で大水害があったのですが、
その時に、忘れられない光景に出会いました。
その年の水害は凄まじいものでした。
床上浸水も全壊の家屋も多数でました。被災の当日は、夜が明けるまでずっと緊急防災対策を現場で指示し作業をしていたのです。
翌日はボランティアセンターを立ち上げました。
それから数日たったある家での光景です、
高校生の女子二人が懸命にヘドロで汚れたトイレのあたりをきれいに拭き掃除をしていました。
ドロドロになりながら、夕刻になって作業を終了するときに、その家のおばあさんがやって来て二人に「ほんとにありがと!!助かりました」と深々と頭を下げてお礼を言っていました。
その家はそのおばあさん一人住まいでした。そのおばあちゃんのお礼の言葉にその二人は、
何とも眩しいぐらいの笑顔で「おばあちゃん、明日も来るね!!」と声をそろえて言いました。
私には、そのおばあちゃんの頬を流れる涙がはっきり見えました。
その二人の女子高生はおばあちゃんの「ありがとう」の言葉にエネルギーをもらったかのように、元気よく帰ってゆきました。
彼女たちは、この心地よい感覚を一生わすれることはないと思います。
ボランティアの原点です。
また、主体が客体に変わる瞬間とも言えるでしょう。
助けるつもりが、助けられていたという経験は、誰しもあると思います。
今回の、東日本大震災で、新居浜の芋炊きボランティアへいった、みんなも口をそろえて、「逆に励まされてきました。」と言っていました。
「ありがとう」の言葉に、
これからも、「こちらこそ、ありがとう御座います。」と言える活動を続けてゆきたいと思っています。
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